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内分泌 - Part 3の記事一覧
以前「ミッシング,ベビー・ボーイズ」という論文が米国の医師会誌に掲載されました。。世界資源研究所のデプラ・デービス博士は、「先進各国で男女の出生比率が変化しつつある」と報告でした。音通、出生比率は女の子Ⅰ人に肘し男の子1.06人と男児の方が僅かに多いのですが、これは男児の方が成長するまでの死亡率が高い為と説明されています。ところが76年にイタリアで起きたセベソの化学工場爆発事故でダイオキシンが高濃度に飛散した地域では女児の出生が男児の2倍近くになっていると96に報告されました。それに興味を抱いた博士が各国の統計を調べてみると、70~90の20年間に米国で0.1%カナダで0.22%、過去40年の年の統計があるデンマークが0.2%、オランダが0.3%、ドイツや北欧諸国でも同様に男児の出生率が低下していたのです。米国では約3万8千人の男の子が生まれ無かった事になります。この原因不明の問題の背後には内分泌かく乱化学物質があるとの見方を博士は強めていますが、実捺には男の赤ん坊の減少と化学物質の関係が明らかになっている分けではありません。子供の異変については他にも、米国で多くの7~9歳の女児が異常な早熟化を示すなど報告があります。
米国のアームストロングが7連覇したツール・ド・フランスのタイトル剥奪や自転車競技からの永久追放処分の事件が以前ありました。世界最大の自転車ロードレー ス、ツール,ド・フランスでは以前に同様なエリスロポエチンの処分がありました。フランスの頂点のフエスティナ,チームが禁止薬物違反で追放されました。チームのトレーナーの車から大量のエリスロポエチン製剤が発見され、監督もチームの9人の選手に薬物を与えた事を認めたそうです。エリスロポエチンは赤血球生成促進因子のホルモンで、生体力酸素欠乏状態に陥ると産生が亢進され、赤血球を増やして組織に酸素を運び易くするので、重症の貧血患者にとっては無くてはならないホルモン剤です。マラソン等で高地トレーニングをすると人体は酸欠状態になり、腎臓からエリスロポエチンが分泌されて、骨髄からの赤血球の産生を促しますが、1ケ月位はトレーニングし無いと充分に赤血球が増えません。今までドーピング検査では、高地トレーニングの結果なのか、ホルモン剤のせいなのかの区別が出来なかったのですが、シドニー,オリンピックから検出出来る様になりました。貧血の無い健康な人が使うと、赤血球が異常に増えて血流が滞り、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。現実にアメリカでは、現役の自転車レースの選手が2人も急性心不全で亡くなり、内部告発によりエリスロボエチンの蔓延が暴露されました。こうなると連想されるのが、1998年に心臓発作でで亡くなった、金メダリストのフローレス・ジョイナーです。生前からドーピング疑惑がありましたが当時はまだ検査技術も低かった事と引退した翌年から強化された事が挙げられます。そして彼女の100mの世界記録は今だ破られていません。