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上肢 - Part 2の記事一覧

ヘルニアの最新療法

2020.09.26 | Category: 上肢,腰痛

頚、肩、腕の痛み、しびれの原因の一つに頚椎椎間板ヘルニアがあります。

ご存じの様に椎間板ヘルニアは椎間板が断裂してそのすき間から髄核が脱出して神経机を圧迫し神経症状を出します。

改善は薬物療法、温熱療法、牽引療法といった保存療法や、手術療法になるのですが、そこにレーザーを使った改善法が注目されているのです。

これはPLDD、(椎間板ヘルニア減圧術・Percutaneous Laser DiscDecompression)という改善法で、MRIでヘルニア箇所を確認して針を椎間板に刺し、その針の中に絹いファイバーを挿入してレーザーを誘導して照射します。

レーザーの熱エネルギーで髄核を蒸散させて空洞を作り、内圧を下げて脱出している髄核が元に戻り神経根の圧迫をなくそうという改善法です。

この改善法は腰椎のヘルニアにおいては普及してきていますが、頚椎に関してはかなりの熟練が必要です。

今までの頚椎椎間板ヘルニアの手術は4~6週間の入院とその後のリハビリが必要ですが、レーザー療法は局部麻酔で、10数分間のレーザー照射と2日間の入院で済み改善効果も良いそうです。

ただしヘルニアの初期、中期の段階では効果があるのですが、ヘルニアが長期化して軟骨が骨化した物や、極めて大きな物は困難です。

現在のところこの改善法には保険適用もなく、一回のレーザー療法は20~30万円の費用が必要です。
腰椎の最新のヘルニア手術ではベアリングを入れる手術があります。

腰椎の椎体固定術では固定関節の上位関節に負担がかかり私の所に4.5間3.4間2.3間の3度手術をされて医師から今度1.2間の手術を勧められ断った患者さんがいました。

最近は人工椎間板置換術が出来て海外では行われています。

人工椎間板置換術は椎間板の変性による症状を改善し、脊椎の可動性を最大限保存する手術法です。

ドイツのカリン・ビュートナー(Bttner)-ヤンツが1980年代初に開発した方法で、手術器具及び技術の発展により患者の満足度もとても高い方法です。

手術方法は最小侵襲無出血手術法で約4~5cmほど微細に腹部を切開し患部に接近する為、出血及び筋肉損傷が小さいです。

損傷した椎間板をハイドロジェットなどの自動吸引機を利用して早く安全に除去し、その部位に人工椎間板(Artificial Disc)を挿入します。

輸血は必要無く、挿入した人工椎間板の位置を確認すると手術が終わります。最大の長所は人工椎間板置換術は関節の可動性をそのまま維持する為、動きが自由である。

手術した翌日から歩く事が出来る。隣接した脊椎も退行性変化を最小化し、脊椎再手術の確率を減らす事が最大の利点です。

食いしばるが不定愁訴の原因

2020.09.25 | Category: 上肢,口腔

歯並びや噛み合わせといった口腔の問題から頭痛、屑コリ、腰痛、めまいといった不定愁訴が起きる事が分かってきました。

虫歯や歯周痢によるグラグラの歯があったり、歯並びの悪さがあると、私達の体は無意識の内にその歯をかばい、避けて噛む様になります。

不正な噛み癖が起きると、歯茎や筋肉に不快感が生じたり、バランスを保とうとして歯の安定した位置で食い縛る事が多くなります。

捻じれて食い縛る為に咬筋、側頭筋や外側翼突筋と言った咀嚼筋や、首筋の胸鎖乳突筋に無理が生じて筋肉を緊張させます。

また顎関節の開閉にも影響して左右非対称性になる事で顎関節症にもなります。

その為に体は脊椎を歪める事でバランスを取ろうとするのですが、その為に首、肩、背中、腰の痛みとして出て来るのです。

長年、頚の痛みや肩こりが続く患者さんには歯や顎関節に問題が無いかの確認が必要です。

ところで睡眠中の歯ぎしりはこの捻じれを自動的に修正しようという働きもありますが、激しい歯ぎしりは肩コリの原因にもなります。

この食い縛りは姿勢が悪いと体のバランスを取ったり、また心理的ストレスがかかって緊張した時に起きています。

食いしばる事は無意識の内に起きていて顎関節や筋肉に異常な力が加わる事になるのです。

VDT症候群

2020.09.24 | Category: 上肢

VDT(ビデオ・ディスプレイ・ターミナル)症候群は、パソコンの普及に歩調を合わせる様に激増している疾患です。

特に長時間仕事でパソコン作業をする人、軽い人まで含めるとほとんどの人が自覚している疾患であると言いきれます。

当初問題になったのが電磁波、紫外線、放射線等が人体に及ぼす影響で、癌や流産の危険性が指摘されていました。

しかし、IT革命、パソコン社会と言われる程普及して来るとその問題は解明された訳では無いのですが下火になり、より目先の問題として眼精疲労、肩コリ、腱鞘炎等がクローズアップしてきました。

この中で特に問題なのは眼精疲労です。単なる目の疲れから始まり肩コリ、全身倦怠や’自律神経失調症まで伴います。

眼精疲労の原因として屈折異常である近視、遠視、乱視や調節異常である老眼によって起こると言われましたが、VDT症候群の多くは別の原因によって起こる事が分かってきました。

元々屈折異常や調節異常があればよりなりやすいのはもちろんです。次にブルーライトです。

波長が380~500nmの領域にある青色の可視光線を長時間の暴露(浴びる事)によって、メラトニンの生成が抑制されるそうです。メラトニンとは脳内で分泌されるホルモンの一種で、人間の眠気を誘う物質です。

メラトニンが抑制されると言う事は、つまり体内時計(サーカディアンリズム)が狂ってしまう事に繋がります。

そしてはドライアイです。コンピュータの作業時の「まぱたき」回数は、日本人平均1分20回が、1分5~7回という報告があります。

さらにパソコン作業は凝視の為目を大きく見開く傾向があり、それが露出面積を大きくしてドライアイに拍車をかけているのです。

その予防は目の表面の湿度を保つ為の点眼と「まばたき」なのです。対策としてはディスプレーを長時間見ないで休憩を取りながら目を休める事です。

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