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痴呆予防ドック

2021.06.19 | Category: 老化

老人性の痴呆症には脳血管性の物と変性性認知症(アルツハイマー、FTD等)とがありますが、痴呆症の初期の段階では見極めが難しいものです。

アルツハイマー病は脳神経の内記憶や理解、判断を担う神経細胞が侵され、約10年間で1400gあった脳が800~900g以下に減ってしまいます。

日本で初めての痴呆予防ドックが開設されたのは三重県の津生協病院附属診療所でした。

それまで一般の脳ドックで発見し難いと言われていた、アルツハイマーの早期発見が出来る様になりました。

検査は、まず点眼検査で瞳孔の開き具合を見ます。トロピカミドと言う薬をアルツハイマーの人に点眼して30分後に調べると、瞳孔が異常に散大します。

この現象はアルツハイマー病の9割以上の患者に表れ、そうで無い人には表れません。

次に血液検査で、アルツハイマーの発症との関連が確認されている、アポE4とよばれる特殊蛋白質の遺伝子を調べます。

このアポE4が発見された人はアルツハイマーになる可能性が高いのです。

3番目に、MRIで脳の断層撮影を行い、実際に脳に萎縮があるかどうかを調べます。このMRIでは、まだ症状の表れていない、脳血管の小さな梗塞等も発見出来ます。

そして最後に問診で、簡単な計算能力や文章の理解度を調べ、痴呆の兆候が無いか記憶力をチェックします。

現在は多くの病院がMRI脳ドックPETによる脳ドック物忘れ外来等開設する様になりました。

早期発見は最新の薬も効果が期待でき、生活上で工夫をする事により、脳に刺激を与えて進行を遅らせる事は充分可能ですので周りの家族が早めの検査を受診させる事が大切になっています。


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