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精神と免疫

2021.06.19 | Category: 免疫

病は気からという言葉がある様に、気分や気持ちの状態と病気に因果関係がある事は誰もが気付いていました。

ヨーロッパの症例でバラ風邪(花粉アレルギー)の患者さんに造花のバラを見せたところ激しい咳と鼻汁が出て鼻腔は狭窄し、軽い呼吸困難の状態に陥りました。

あるいは逆に、偽薬により病状や症状を改善するプラセーボ効果の実験症例も数多く報告されています。

いずれの場合も物質的な反応に(例えばアレルギーなら抗原抗体反応)何らかの精神的な修飾が介在していると予測できます。

つまり、情動や精神の動きが身体的な反応を呼び起こしたのではないかと言う事です。

バラ風邪の様なアレルギー反応を起こす粘膜組織中のマスト細胞には、交感神経系のノルアドレナリンと副交感神経系のアセチルコリンのレセプターがあります。

医師からバラを見せられて、患者さんは情動的なショックにより自律神経に興奮が起こり、マスト細胞の顆粒に蓄えられたヒスタミンやプロテアーゼ等の炎症性化学物質の放出に影響を与えたとも推論する事が出来ます。

更に、もう一つ考えられるのは「暗示」効果です。暗示による精神の変化は、知覚、観念や意図、信念、行為ばかりでなく身体反応にも及ぶ事が実験で確かめられています。

何度もバラ風邪を引いた患者さんは、バラの花を見る事が暗示刺激になりマスト細胞から炎症性化学物質が放出されたとも考えられるのです。

精神と免疫の関係はまだまだ未知な所も沢山ありますが、我々の施術においても、重要なポイントである事は間違いありません。


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