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結核と免疫

2021.06.19 | Category: 免疫

昨今の結核の集団感染は、若い世代と高齢者の2大群に分かれます。

若い世代は乳幼児期にBCG(弱毒化結核菌)の予防接種を受けますが、この効果はおよそ10~15年しか続かず、高校生になる頃には結核に対してほとんど無防備になっています。

若い世代全体が結核菌に対する抵抗力を持た無い為、いったん結核菌に出会えば非常にもろいのです。

結核菌が侵入するとまずマクロファージが立ち向かい、結核菌を盛んに貪食します。

ヘルパーT細胞はマクロファージの殺傷力を高める生理活性物質ガンマー型インターフェロンを出し、強化型マクロファージを作り出します。

ここで多くは免疫系が勝つのですが、結核菌は死滅はせず通常型マクロファージの中に潜んで冬眠状態に入ります。

ほとんど活動しなくなるので免疫系の攻撃を受けず、また抗結核薬の多くは活動期の菌に働くものなので殺す事が出来ないのです。

保菌者の免疫力が低下すると、結核菌が冬眠から目覚め再活動します。

特に高齢者は生活習慣病等を抱えていたり、老化による免疫力の低下によって発病してしまうのです。

高齢者世代が若かった時代には結核が蔓延していたので、70歳代で約半数、80歳代だと7~8割が感染していると考えられます。

ただ中高年になってからのBCG接種には効果が無いという説もあり、なおさら免役力を高める事が結核予防には大切です。


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