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高齢者の動脈瘤

2021.06.16 | Category: 老化

動脈硬化症によって出来る代表的な血管の病気が動脈瘤です。

統計的には欧米の10分の1程度と頻度は低いのですが、今後は確実に増加すると言われています。

血管の三層構造の動脈壁がすべて拡張する物を真性動脈瘤といいます。

この真性動脈瘤には胸部、腹部、胸腹部の大動脈や内臓動脈や末梢動脈等に発生します。

この中で最も多いのが腹部大動脈瘤で、次に胸部大動脈瘤です。

胸部大動脈瘤は50才~70才台の男性に多く、動脈硬化以外にも梅毒やマルファン症候群、動脈解離、大動脈弁拡張症等でも発生します。

症状はほとんど無症状であると言うのが特徴という恐い疾患です。

ただ、瘤が大きくなると気迫圧迫で咳、呼吸困難等があらわれ、食道圧迫では嘸下困難、神経圧迫でしわがれ声等になります。

また肩背部にこりの症状が現れがちです。

一方最近増加が著しい腹部大動脈瘤はやや高齢で60才~80才台の男性に多く動脈硬化による物が多いという特徴があります。

糖尿病や脳血管障害等動脈硬化による疾患を合併している事がよく見られます。

腹部動脈瘤は腎動脈分岐より下の腹部大動脈に現れ、丁度臍の周りに拍動するシコリとして触診する事が出来ます。

しかしこのシコリを確認出来るのは5cm以上であり、その様な時にはすぐに手術が必要です。

また、腰痛や腹痛などの症状が出て来たら、破裂寸前と言われています。

我々の立場からみれぱ、動脈瘤は地雷の様な物です。

ですから高齢者の肩こりや腰痛等では動脈瘤の有無を念頭にいれて施術しなければなりません。


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