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性の決定と遺伝子

2021.06.15 | Category: 遺伝子

20001年2月の「ネイチャー」で、性染色体の男性だけが持つY遺伝子染色体には僅か26個の遺伝子しか無いと発表しました。

この遺伝子の中で注目されているのがSRYと呼ばれている遺伝子です。

マウスの実験で、このSry(動物ではSry)をXXの性染色体を持つマウスの受精卵に入れると精巣をもつ雄のマウスが産まれたのです。

ヒトの胎児の発達過程をみると受精後7選目までは男も女も形態的には変わりません。

この頃までは同じ生殖腺原基を持っているので、精巣にも卵巣にもどちらにもなれる潜在的な能力を持っているのです。

ところが、性差が生じるこの時期にだけSRY遺伝子が働いて、精巣を作り男性化を促すのです。

そしてこの時期を過ぎるとSRY遺伝子は2度と登場しません。ですからSRYは最初のきっかけを作る性決定遺伝子といわれています。

もちろんこの男女の性差を決定して行く遺伝子はSRY遺伝子の他にもあり、Y染色体以外の常染色体に数多くある事も知られています。

ところで、ヒトではXXの性染色体を持ちながら身体は男性になる場合があります。

この場合、SRY遺伝子がX染色体にあったのです。

逆に、XY染色体を持ちながら身体は女性になる例では、Y染色体上にSRY遺伝子がありませんでした。

生殖細胞は減数分裂をしますが、この分裂の時にエラーが発生した為に、遺伝子の組換えが上手くいかなかった為なのです。


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