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人のゲノムでわかったこと

2021.06.15 | Category: 遺伝子

2000年にヒトゲノムの塩基配列がほぼ分かりました。しかし塩基配列が分かったといっても、本当はそれだけでは意味がありません。

それはまるで、カタカナだけで書かれて句読点もなければタイトルも無い、おまけに間に意味の無い文字の羅列が挟まっている様な、31億6500万文字の文章に過ぎません。

おまけにその文章の意味のある部分(遺伝子)は全体の3~5%ですから、意味のある部分を確定し、文字を意味のある文章(遺伝子)として確認する作業が必要となります。

その遺伝子の部分もこれまで人で10万個程だと予想されていましたが、実際には3~4万個だという事も分かったのです。

この数は細菌の遺伝子の10倍、ショウジョウバエの2倍にしか過ぎません。哺乳類でいえば遺伝子の数だけで無く9割が同じかよく似た遺伝子であり、チンパンジーでは98%がヒトと同じ遺伝子です。

しかも細菌由来の遺伝子が200個以上もあって、実際に遺伝子としての働きをしている事も分かっています。

つまり人は生物として特別な存在ではなく、あらゆる生物は人間が思っていた以上に近い存在だと言えるのかもしれません。

【DNAデオキシリボ核酸】
細長い糸状の科学物質で2本のDNA鎖が4種類の塩基で結びついていて二重らせんを作っています。
塩基はアデニン(A)チミン(T)グアニン(G)シトシン(C)で必ずAはTとGはCとペアを作ります。
この塩基の中でタンパク質を作る部分が遺伝子。


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