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結核非常事態宣言

2021.06.14 | Category: 呼吸器

減少を続けていた結核が平成9年以来増加に転じた為厚生労働省は平成11年に絡咳非常事態宣言を出して警戒を呼びかけました。

幸い平成12年の新結核患者は4年振りに減少しましたが、油断できない状態は続いています。

結核の増加は先進国を含めた世界的な傾向ですが、10万人あたりの罹患率は米国の5倍と、日本は先進国の中でも特に高いのが現状です。

特に高齢者の罹患率(肺以外の結核含む)では70~79才で87.2、80才以上では130.1と非常な高率になっています。

現在の60才以上は多くが結核菌を持っている人達で、この高齢者の老化が進めば日和見的に発症する人が多くなるのは避けられません。

しかも高齢者の結核の特徴として、呼吸器症状を訴えないで、全身倦怠感、体重減少、食欲不振等を訴える事が多くあり、結核と診断し難い事が挙げられます。

日本での結核の正診率は案外低く、剖検してから発見される結核も少なくありません。

こうした結核症の増加の原因は、結核を過去の病気とみる医療従事者や行政、国民の油断が第一にあります。

その為集団感染や発見の遅れを引き起こすのです。

高齢者はもちろん、若くても咳が2週間以上続いたり、微熱が続く様であれば、風邪だと思い込まずに結核も頭に入れて検査すべきです。


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