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大食い

2021.06.13 | Category: 消化器

大食い競争のテレビ番組があります。そこに出演している人の体型は一見して普通の体格なのですが、一度に食べる量は驚くべきものです。

通常、胃の消化システムは飲み込まれた食べ物は食道を通り、胃に送り込まれて停滞して、腸が栄養をとりやすいように柔らかくされますが、その消化活動は胃の中に入ってから2~4時間たってから腸に送られるのです。

大食いの胃はどの様になっているのでしょうか。胃の形には、釣型、エル字型、ルシュカ型、牛角胃の4種類あります。

特に牛角胃では食物が停滞しないで、下に押し出しやすい構造なので西欧人や相撲取りなど、大食いの人に多いのです。

しかし痩せの大食いの胃をレントゲン撮影したところ、普通の食欲よりもむしろ小さい胃であったのです。

更にその胃では食べ物が胃に送り込まれると即座に腸に送られ、常に上部に空きができ、通常の胃に比べ数倍の活動量があるというのです。

また満腹感は胃や腸の膨張を感じる神経の反応と、血糖値の上昇による信号が脳の満腹中枢にキャッチされて得られるのですが、大食いの人はその情報がキャッチできないで食べ続ける事ができると考えられます。

ところでお腹―杯の食事をした後にケーキ等のデザートは別腹といいいます。

この状態をレントゲン撮影でみると、食事した後は胃の上部には全く空きがないのに、ケーキが目の前に出された瞬間に胃が活動しケーキが入るスペースができます。

視覚、味覚の記憶から空腹中枢が刺激され、胃の活動が活発になり、実際に別腹の部分ができるのです。

大食いの人達も食べ物を見る事で、中枢からの刺激が通常の人より、数倍の胃の活動をさせているのかもしれません。


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