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インフルエンザウイルスの戦略

2021.06.12 | Category: 感染症

インフルエンザは毎年、程度の差はありますが12月から3月にかけて必ず流行します。

医療機関で診察を受ける人が毎年数十万人はいます。その中で症状が重く入院する人も1万人前後になります。

ですから、症状の軽い人まで含めると数百万人が毎年発症している最も発症率の高い病気だといえます。

通常のウイルスだとー度発症すると身体に免疫抗体を持ちますから、二度はかかりません。

しかし、インフルエンザウイルスは表面の抗原の鍵穴を頻繁に変える能力がある為に、免疫が効かなくなり数年で再度感染してしまうのです。

もう1つの特徴として、流行規模の大きさが挙げられます。この大流行の原因は、意外にもインフルエンザウイルスその物は病原性があまり強くない事があげられます。

実はウイルスに感染しても半数の人は不顕性感染で、気付かずにウイルスを撒き散らしてしまうのです。

ところが、インフルエンザは発症すると数日間は高熱が続き、免疫力を著しく低下させる為に、抵抗力が弱いと肺炎を発症させる事になるのです。

特に高齢者にとっては非常に危険で、老人病院や老人施設等で集団感染で死亡者が出るのもインフルエンザウイルスの感染力の強さと病原性の低さが原因なのです。

ですから、元々免疫力が低い高齢者や乳幼児にとって、インフルエンザは大敵なのです。

インフルエンザの予防接種は高齢者にこそ必要なものでインフルエンザの死亡者の90%は65歳以上の高齢者です。

現在ワクチン接種の激減のためにワクチンの生産量も30分の1に落ちています。

もし、死亡率の高い新型のウイルスが現れても生産設備がない為に、日本は無防備な状況に陥っていると警告している研究者もいます。

一部にワクチンに効果はないという意見や副作用を心配する声もありますが、感染防御効果と病状を軽くする効果がある事は確かな様です。

また、バーキンソンの薬のアマンタジンがインフルエンザに効果があり話題になりました。

ノイラミニダーゼ阻害薬などの副作用の少ないタミフル等は有効です。


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