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水の調節とホルモン

2021.06.11 | Category: ホルモン

汗をかいたり、塩分の摂り過ぎで体液の濃度が高くなり浸透圧が高まると、視床下部にある浸透圧を調節する中枢が感知して、下垂体後葉にその情報が伝わります。

すると後葉から抗利尿ホルモンあるいは血圧上昇ホルモンとも呼ばれているバソプレッシンが分泌されます。

このバソプレッシンは腎臓の細尿管(集合管細胞)の水の堰を開く、つまり透通性を高める作用がありますので、水の再吸収が増え、水は体内に戻されます。

逆に水分の摂り過ぎなどで体内の血漿濃度が低くなるとバソプレッシン分泌は停止する為に、必然的に再吸収の堰が閉じるので尿として大量に排出されます。

また、その時、体液に含まれるナトリウムイオンが減少してしまう時には視床下部からその指令が下垂体前葉に行き副腎皮質刺激ホルモンが作動して、副腎皮質から鉱質コルチコイドが分泌されます。

それにより腎臓の細尿管でナトリウムイオンの再吸収を促進させます。水分とナトリウムイオンの調節にはこの他アンギオテンシンや心房性ナトリウム利尿ペプチドといったホルモンも関わっています。

ところで、バソプレッシンのもう1つの作用である血圧上昇も間接的には水の局所的調節になります。

つまり、バソプレッシンは末梢の血管を収縮させて血管抵抗を高める為に、収縮期血圧を上昇させます。

そうする事で末梢の血流量を減らし重要臓器への血流量を増やす事になるからです。


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