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匂い環境

2021.06.11 | Category: 環境問題

嗅覚は視覚や聴覚と違って理性で判断するより、直感に働いて行動を起こさせるという特徴があります。

例えば焦げ臭い匂いがしたら、考える前にその匂いの方向に駆けつけようとし、嫌いな匂いを嗅いだ時は、とっさに鼻を覆うなど、その行動は本能的です。

匂いの元となる揮発性の化学物質は、鼻腔の天井の嗅細胞にくっ付き、その電気信号が情動反応と強く結び付いた大脳辺縁系に直行するので、認知・判断する前に感情を引き起こし、行動を促すのです。

匂いによって起こる感情は記憶と深く結び付いていて、人によっての快・不快な匂いは異なります。

人は概ね森林の匂いを嗅ぐと気持ちが落ち着いてリラックスし、逆に麝香等動物性の匂いを嗅ぐと興奮するという実験結果があり、人間の遺伝子には太古の記憶が組み込まれていると考えられます。

古来より香料は気持ちをリラックスさせたり体調を整えるものとして生活に取り入れられ、近年日本でもアロマテラピーも普及してきました。

反面、無臭が好まれるという現象も起きています。

気をつけたいのは、24時間付けっ放しにできるタイプの電子蚊取り器等、無臭にされた化学薬品です。

匂わない為危険を察知できなくて連続使用してしまい、強い毒性化学物質を連続吸入する事になってしまいます。

本来、人間に警告を発している匂いまで取り除いてしまうのは、危険で愚かな事です。


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