- Blog記事一覧 -慢性炎症とがん
フリーラジカルががんの発生に関与していることはわかっていて、発がん物質といわれているものはフリーラジカルそのものであったり、体内でフリーラジカルを発生させるものです。
そのフリーラジカルの中でも活生酸素は体内での酸素代謝の副産物でもあり、免疫の正常な働きにも欠かせないもので、正しく働いている限りにおいては必要不可欠なものです。
しかし活性酸素が異常に作られたり、作られてはいけない場所で作られると生体を攻撃してさまざまな疾患を起こします。
その一つががん化というわけです。その活性酸素が異常に作られる場合の一つに慢性炎症があります。
体内で炎症が続くと活生酸素や一酸化窒素が大量に作られ、それが細胞のDNAを傷つける様になります。
しかも炎症している部位では細胞分裂も活発になっているので細胞のDNAの複製エラーが起きやすくなってがん化のリスクを高めるのです。
その代表がヘリコバクター・ピロリ菌による胃がんです。
ピロリ菌によって慢性的に萎縮性胃炎が起こると、それによって炎症細胞から発生した活性酸素や一酸化窒素が細胞DNAを傷害します。
またウイルスによる肝臓がんの場合も同様で、慢性的な炎症が酸化ストレスを起こして肝細胞死と再生反応を増幅させていて発がんさせるとみられています。
このとき、ウイルスが存在するだけでは発がんする事は無く、ウイルスによる炎症が酸化傷害を起こし突然変異を起こすのです。
他の部位のがんも同様、慢性炎症が関与している事が大変多いのです。