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味覚、嗅覚以外の科学感覚

2021.01.14 | Category: 感覚

食べ物や飲み物を美味しいと感ずるには、味覚と嗅覚が微妙に連携して働いています。そして飲食物は味と匂いだけで味わうのでは無く、温かさや冷たさ、歯応えや舌触りと言った、温・冷・触の感覚が不可欠とされています。

また人だけが好む特殊な化学感覚として、例えば唐辛子の焼ける様な感覚やミント等の清涼感、酢のツンと来る感覚、炭酸の入った飲み物が喉にはじける様な感覚と言った物があります。

これらの感覚は口中では味覚と共に働き、鼻中では嗅覚と共に働くのですが、痛みや温度の伝達にも関与しています。

刺激成分では唐辛子のカプサイシン、アルコール、メントール、シナモン、炭酸ガス等で、これらの化学物質がどの様に感覚器に作用しているのかを調べる研究が進んでいます。

例えば溶存炭酸ガスは冷えたビールや清涼飲料中にあって爽快感を引き起こしますが、主に三叉神経舌枝によって刺激が受け取られます。

水や炭酸ガスに反応する味蕾は喉の奥から食道上部に沢山在り、喉越しの旨さとして感じられるのです。炭酸ガスのピリピリする感覚を感ずるには、上皮組織に存在する炭酸脱水酵素の働きが必要なこともわかってきました。

また嗅覚が衰えた老人は、食べ物の匂いの刺激に代わる物として、かなり大量の香辛料を好む傾向があります。

嗅覚の代わりに別の化学感覚である三叉神経に刺激を求めようとする訳ですが、高齢者の栄養を改善する方法として香辛料の研究は重要な事かもしれません。


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