- Blog記事一覧 -腸内細菌とアレルギー
腸には食べ物だけで無く細菌や毒物等が入って来ますから、吸収する物と、排除しなければならない物を分別する腸管免疫系と言う自己防御反応システムを持っています。
異物が腸管を刺激するとB細胞が作られ、それによってlgAが出来てアレルゲン等の余計な物が体内に入らない様にします。
一方で経口免疫寛容が働いてlgEやlgGを抑制する事で食べ物等に対してアレルギーが起こら無い様にしています。
ところで腸内には悪玉、善玉の色々な常在菌がいますが、これらの腸内細菌が免疫寛容に大きな働きをしているのです。
マウスの実験による物ですが、腸内細菌が居ないマウスは経口免疫寛容出来ずに必要な物にまで抗体を作ってしまいます。
人においてもこの様な腸内細菌が免疫寛容を成立させているという事が言えるでしょう。
また免疫寛容は自分の腸内細菌に対して起こるのですが、潰瘍性大腸炎やクローン病では自分の腸内細菌に対する免疫寛容が無くなった為に発症するのでは無いかと考えられます。
ところで上記のマウスも若い内に腸内細菌を定着させると免疫寛容が回復するのですが、年をとってから腸内細菌を定着させても免疫寛容は回復しません。
若い内に良好な腸内細菌叢を作る事がアレルギー予防になるのかもしれません。