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嗅覚

2020.08.15 | Category:

匂いを感じさせる物質は40万種もあると言われますが、感覚器がその一つ一つに対応する受容体を持つのは不可能です。

視覚では赤、青、緑の三原色に対する受容体がその組み合わせによって無限にある色を識別していますから、嗅覚もその様な数種類の受容体の組み合わせで臭い感じるのだろうと考えられてきました。

それが匂いの分子を感じる受容体や、それを決定しているDNAが見つかる様になり、嗅覚の研究が進んできたのです。

それによると匂いの受容体は哺乳類では1000種類にも上ると考えられています。

匂いの受容体が1000種類と言う事は、それを決定している遺伝子は全遺伝子(全部で10万個)の1%も占める事になります。

匂いの受容体は鼻梁の裏にある1cm²の範囲にあって匂いの分子が結合すると神経細胞に刺激を与えます。

すると刺激された神経は匂いの種類によって4つ位に分類して嗅球という中継地点の特定の決まった場所へと伝えます。

そこで整然と分類されて嗅覚中枢へと送られ処理されるのです。

受容体は1000種類もありますから、新しい匂いに接したとしてもこれまでの経験の中から似た匂いと照合されて認識されると言う融通の効く感覚になっているのです。

また嗅覚の神経細胞では死んだり再生されている様ですが、そのシステムはまだ解っていません。

更に嗅覚からは視床下部のある辺縁系まで直接伸びている神経もあり、感情や情動に直接関係しているらしい事も解ってきました。


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