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がん転移のメカニズム

2020.03.11 | Category: がん

癌は1cm位の大きさだと、重さは1g程度として細胞数約1億個になっています。この癌は増殖の性質があっても、転移するメカニズムが無ければ、致命的になる率はもっ低下する筈です。しかし、癌細胞は細胞と細胞の間で枠組みを構成しているマトリックス蛋白質を分解する酵素を使って組織を破壊しながら増殖する能力を持っているのです。血管の回りにもコラーゲンやエラスチンのマトリックス蛋白質があるのですが、癌細胞はそれを分解してしまいます。そして血管やリンパ管の壁を破って血管の内側に潜りこみ、血流に乗って体のいたる所に流れて行くのです。もちろん流されて行くだけなら、その内マクロフアージに食べられたりして死滅します。ところが、癌細胞にはもう一つの性質として接着因子をその細胞膜の表面に持っているのです。これを利用して血管の内皮細胞に接着し、その下の組織へ潜り込んで行くのです。転移した臓器に入り込み、マトリックス蛋白質を分解する酵素素を沢山出して、そこでまた増殖してしまいます。増殖する為に必要な酸素や栄養をえる目的でVEGF (血管内皮増殖因子)を分泌して周りに血管を伸ばさせて更に大きくなって行くのです。転移を防ぐ医療法の開発が行われていまが、残念ながら決定的な方法は今のところありません。


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