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筋肉の性差

2020.02.09 | Category: 骨格筋

成人になってからの骨格筋のパワーには男女差がありますが、その値は女性は男性の70%~90%です。しかしこの場合のパワーというのは、最大パワーの発揮カや無酸素的な運動能力の事で、こと有酸素運動的な持久力の点では男性が優れているとばかりは言えない様です。例えばエルゴメーター連動で運動開始から疲労困憊までの時間は女性の方が男性より長いのです。男性は筋肉を動かすのに必要なエネルギーを主に糖質から得るのに対して、女性は男性と比較して脂肪の燃焼により多く依存していると言えます。安静にしている時の筋グリコーゲンの濃度に性差は無いのですが、同じ様な運動をした場合、女性の筋グリコーゲンの減少量 は男性よりも少ないし、蛋白質の異化は男性の方により起こります。つまり男性がエネルギーを作るのにグリコーゲンや蛋白質に依存する分を女性は脂肪に依存する事ができるため,持続力が続くと言えるのです。線維その物の代謝には男女差は無いのですが、筋線椎や筋線維束間への脂肪の蓄積は男性よりも女性の方が多く、中性脂肪の利用能力が女性の方が優れているからでしょう。ところで、試合直前に高糖質食をとって筋グリコーゲン漉度を高めるというカーボロディングが一般的になっていますが、これは男性にとって有効で、女性の場合は高糖質食でも筋グリコーゲンはあまり高まらず、パフォーマンスもあまり向上しないと言います。つまり女性の筋肉は脂肪に比重を置いているからかもしれません。


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