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2015年11月7日宮崎県日向市の温泉施設で発生したレジオネラ症の集団感染は7人の死者を含む約300人に達しました。
風呂の湯を循環させる配管のろ過器等でレジオネラ菌が増殖したのが原因でした。レジオネラ症といえば、24時間風呂の循環装置で問題になりましたが、その原因であるレジオネラ菌はアメーバ等の原虫に寄生して土壌や河川、湖沼等自然界に広く生息し増殖します。
酸や熱に強く、50度のお湯の中でも死滅しません。
レジオネラ菌は生活菌で、普通の銭湯や温泉には必ずいるのですが、それがよどんだ水の中で爆発的に増殖し、加湿器、給湯設備、循環式の浴槽やジャグジー、打たせ湯、人工の滝や噴水等の水煙を吸い込んで肺に感染するのです。
温泉施設では循環型や溜めたお湯を使う施設が多いので、浴場の換え水や清掃、残留塩素濃度等衛生管理が悪いとレジオネラ菌が繁殖しやすく感染の恐れがあります。
厚生労働省は宮崎県の感染をきっかけに、全国の保健所に大型浴場の検査をする様に通知しました。
レジオネラ菌による症状は、レジオネラ肺炎とポンティアック熱の2種があり、ポンティアック熱はインフルエンザの様な症状で治ります。
レジオネラ肺炎は劇症と言われるほど悪化が早く、死亡率も高く、保健所に届出義務がある病気ですが、人から人へは感染しません。
感染しても、体の抵抗力が強かったり、菌数が少なく、菌が弱っていれば、発熱や筋肉痛、けん怠感を感じる程度で約1週間位で自然に治る軽症の場合もあります。
しかし、幼児や老人、糖尿病患者等体力、免疫力が落ちている人に感染すると注意が必要で、悪寒や高熱、激しい咳込みや胸に痛みを感じます。
レジオネラ菌の感染であればマクロライド系、テトラサイクリン系の抗生剤を服用すれば、完治しますが、この菌の検出に2週間かかるので、症状から想定して受診する事が大切になります。
初期受診を間違えると約1週間で死亡する事もあります。