- Blog記事一覧 -高齢者の体
老年病と言えば白内障や変形性関節炎、骨粗鬆症、痴呆等の疾患を指しますが、最近では特定の疾患と言うよりも老化が進む事で生じる様々な症状をひっくるめて老年症候群として捉える様になっています。状態としては転倒、痴呆、せん妄、低栄養、脱水、寝たきり、褥瘡、医原性の疾患等を指し、その原因は一つだけで無く複合的な物がほとんどです。特に75才以上になると高い確率で表れ、日常の自立を妨げる事になります。これらの老年症候群や老年病の特徴としては
・複数の臓器に疾患が起こる
・症状が現れ無かったり、定まらないで精神障害が起こる事もある
・回復が遅く合併症を起こしやすい
・投与される薬が多く副作用が出やすい
・恒常性や制御系が乱れやすい
と言う事があげられます。そして老年病や老年症候群等は肺炎、敗血症、血栓、せん妄、腸閉塞、脱水、心不全、消化管出血、尿路感染症等に容易に結び付いていきます。しかも無痛性心筋梗塞、無熱肺炎、甲状腺機能異常、結核、うつ病等は倦怠感や虚脱感、時にはせん妄等の意識障害等を起こす事もありますが、高齢者だから、と言う事でかえってその徴候を見落としやすいので特に注意が必要です。